🔄 “くるん”と丸くなる?金属加工の「ヘラ絞り」とは
加工技術
スプーンやお椀のように、曲面がきれいに広がった形の金属製品ってありますよね。
あのような形をどうやって作っているのか、不思議に思ったことはありませんか?

硬い金属でどうやって?って思ったことありませんか?
答えは、「ヘラ絞り」という金属加工技術にあります。
🌀 ヘラ絞りとは?
ヘラ絞りとは、金属の円盤を回転させながら、専用の「ヘラ」という工具で形を整えていく加工方法です。
手作業や半自動で行われることも多く、熟練の技が必要とされる工程です。
例えるなら、ろくろで器を成形する陶芸のようなもの。
金属の板が、職人の手によって少しずつ丸く・滑らかに変形していくのです。


力の入れ加減には熟練の技術が必要で職人さん曰く、金属と会話して力加減を決めるそうです
🍽️ カトラリーや器でも活躍!
スプーンの裏側のなめらかな丸みや、ステンレスの小鉢、ランプシェードなど、曲面形状の製品は多くがヘラ絞りで作られています。
この技術によって:
- 継ぎ目のない美しい形状が作れる
- 薄くて軽いのに丈夫な製品ができる
- 少量生産やオーダーメイドにも対応しやすい
といったメリットがあります。

ヘラ絞りのランプシェード
👀 加工中の様子を見てみよう
実際のヘラ絞りの様子はとてもダイナミック。
回転する金属にヘラをあてがうと、板がするすると変形していく様子はまるで金属が布のようです。





体重稼働によって平たい円の金属板を伸ばしたり、熱を加えて金属を柔らかくしたりして仕上げていきます。
伸ばすのも熱を加えるのも職人の感覚と手の技術が光る“人の手”が活きる金属加工になります。
見た目の美しさだけでなく、機能面でも優れた製品を生み出す日本の誇る技術です。
完成した製品の内側には口当たりをよくするために錫(すず)を使います。


またヘラ絞りは色をつけることも可能です。
ヘラ絞りの色付けはスプレーなどで塗るのではなく、金属の酸化を利用して色付けしていきます。







硫黄の中にくぐらせるたびに色が変わり、だんだん黒くなっていきます。
ヘラ絞りは、職人の感覚と手の技術、金属に加える力や時間などで変化してくるため、多くの量を生産するには向いていません。
しかし、大量生産ができないということは言い換えれば1つ1つが少しづつ異なった形であるため世界に1つだけのタンブラーが誕生します。
結婚記念日や家族の誕生、会社の記念品などの身内だけ、少数の人にだけ配るなどといった時にオリジナル製品としていかがでしょうか?
NONSTOPでは金属加工の街、燕三条に協力いただける工場様が数か所あります。
お気軽にお問い合わせください。